【ネタバレ有り】再び新劇場版エヴァンゲリオンを見てきた

今回は序破Qを見て、漫画版を全話読んだという完璧な予習状態から見てきました。

がっつり僕の推察やネタバレを込みで書き連ねていこうと思います。

 

 冒頭のこれまでのあらすじ、実際序破Qを見ていると要所要所を抑えていながら人物紹介やヴィレという組織の説明などもあって初見の人向けであったことが再確認できた。前回の記事では名言の羅列に気を取られていたがきっちりとそこでヴィレの存在を抑えておりこれまでの流れが要約されていてちゃんと理解の助けになっていたことが分かった。

 そして問題のパリ上空でのやり取り。整備長はQでもいてなじみがあるし、「これだから若い男は」というのはQで同様のセリフがあったのも知っていて親近感が沸いた。敵として描かれていた44A,4444C,44Bはエヴァ4号機がバチカン条約で禁止されている軍事転用されエヴァ6号機の知見から自律型となっていることも2週目だと察知出来て実際エヴァのものと思われるパーツが描かれており成程面白い。都市復旧に関してはアンチLシステムの展開とと都市のコア化を解除するという目的もはっきりしていて応援すべき味方も分かっていて気を張ることなくマリの華麗なる戦いを見届けることができた。

 シンジとアスカ、アヤナミの三人のシーン。第三村に到着しトウジとの再会は「俺や俺!」と言われて、おおQでは制服しか登場せず死んだかと思ってたけど生きとったか!とシンジとともに感動の再会。心を閉ざしたシンジというのも前回と違って今回は経緯がはっきりしていて正直考えなしに盲目的に行動するシンジに同情の余地がないからアスカの冷たさを応援する気持ちさえ湧いてしまう。DSSチョーカーにだけ反応アリな理由やその存在もQでわかっていた。(カヲル君の為に設計されていた覚醒防止の爆弾でカヲル君は着脱できる)まぁトラウマを抱えるのはやむなし。アヤナミは複数あるクローンのうちの初期ロットであり、シンジに好意を抱くよう設計されているという情報にもなんの抵抗がなく、前回記事同様のやり取りも行われていた。ここでシンジが家出した場所に温泉ペンギンことぺんぺんの子孫か親類か、集団がいて思わず「ぺんぺん!」となった。

 ここでアヤナミがさよならの意味を訪ねたときに「また会うためのおまじない」と聞いていて、それをトウジと委員長の家から去るときとシンジの目の前でLCLになる際に言い残しているのが興味深い。また会うためのおまじないを残して彼女はLCLへと還元された。

 また前回記事であったお風呂のセリフは正しくは「LCLと違って良い気持ち」という旨のセリフであった。

 さらにシンジの失語症から回復していくシーンはトウジやケンスケがとてもやさしかったが序破Q見た後だとそんなに優しくするもんじゃねぇそいつは中学生雑魚メンタルだぞと言いたくなった。加えてアスカが母親のように家出中見守るシーンや彼を糾弾するシーンには応援に力が入った。「ガキに必要なのは恋人ではなく母親よ」というアスカのセリフは印象深く、最後に母親に助けられマリという恋人と言っていいかは不明だがパートナーを得ているシーンはガキから大人への成長を暗喩しているのだろうか。

 雨のパートもQでアヤナミがシンジから本をもらっていたところから電車の図書館でそれを思い出すシーンと、ジャガイモを落として拾ってもらいここで拾ったものは返すということを学習。後に「拾ったものは返す」と言ってレコーダーをシンジに返す。

 前回気になってはいたものの述べることが少なかったレコーダーについて。序で父親からもらったか何かだと思われるが破で父親と仲たがいをして捨てるところを綾波レイが拾う。その後、ニアサーを引き起こして空白の14年後にシンジの手にあったのがレコーダー。これはのちにマイナス宇宙においてゲンドウのもとへ置かれている。

 アヤナミLCLに戻った後でシンジは土の匂いとおそらくは加持さんを思い出す。そうしてミサトさんのいるヴンダーへと戻っていった。戻った時にトウジの妹サクラから詰られビンタされて泣かれているところをアスカがボソッと「女房か」って小さくツッコんでいたの面白かった。

 その後、ヤマト作戦が始まる。総員出動に際してアスカとマリさんはシンジのもとへ。この時マリさんがシンジに言ってた「屋上」だのシンジが言った「パラシュート」だのは破であったシーンであり、過去作視聴の恩恵を受ける。

 なぜ殴ったかについてもはっきりしていてシンジが使徒に取り込まれたエヴァに乗るアスカを助けることも殺すこともしなかった。責任を負いたくなかったから逃げたことにあるということを理解。その後、綾波に対してはニアサーを引き起こしてまでも助けようとするんだからシンジが好きだったアスカからしたらたまったもんじゃないよな。そりゃ殴りたくもなるわ。この時にあった「あんたの弁当、おいしかった」というのも破の冒頭のピクニックでの弁当シーンだとわかり、あぁと安堵する。

 さてさて北極にいるゲンドウらネルフを強襲するというヤシマ作戦。ここの時のすいかとは加持さんが劇中で作っていたものであることが分かりそのピックアップの理由も分かった。船体がL結界境界を走るシーンでL結界とは原罪で穢れた魂を阻むという説明があり要は人間の侵入できないところなのをアンチL結界と加持さんのデータのおかげで潜航できる場所で通り抜けた。そしてヴンダー同型艦を回避するも挟撃にあう。船体をぶつけ突破した先にはこれまで空位エヴァmark7が大量生産、展開されていた。これらを突破し、ネルフ本部を誘導弾で爆撃後エヴァ両機が着陸。アスカがエヴァ13号機に製造した強制停止信号プラグを差し込もうとするもエヴァ2号機のATフィールドに阻まれる。そこで右目の封印を解除して使徒化して無理やりATフィールドを突破するもそれがゲンドウの罠。13号機に取り込まれアディショナルインパクトが発生する。さらにヴンダーがアヤナミの乗っていたエヴァ9号機に襲われて浸食されたのち、隠れていた4番艦に襲われて行動不能にして、乗っ取られてしまう。エヴァ9号機はパターン青、つまり使徒判定されていた。その後、4つの艦の力を以て二本の槍を生成した。ゲンドウは13号機に乗り込んでマイナス宇宙に行く前にヴィレの前に降り立つ。

 ここでのやり取りは前回と同じだがやはり特筆すべきはシンジの救いようのなさだろう。まーたエヴァに乗りますとか言い出してるよ。そりゃキレて銃も取り出すわ。ミサトさんが庇うあたりは母親の如しでガキには母親が必要なのである。それと取り込んだものは加持さんが序で奪っていたネブカドネザルの鍵だった。その後、プラグスーツに身を包み、DSSチョーカーを取り付けてマリの乗るエヴァ8号機の中からマイナス宇宙へと飛び立った。

 ここからゲンドウとエヴァに乗った戦い。マイナス宇宙では知覚ができないため記憶からLCLが映像を見せてくれるという仕組みらしい。この時シンジが持っていた絶望の槍ロンギヌスは希望の槍カシウスへと変化する。そして戦いの場所は教室や、綾波の部屋や、破での戦闘場所や、序盤にシンジが家出した場所と転々と移っていく。

 そうして戦った先で電車の中の描写で明かされるゲンドウの過去。もう一度ユイに会いたかったという願いに対して最後にはシンジの中にユイの姿を見て下車。そしてアスカともマイナス宇宙で会い、好きだったということを伝える。またアスカの孤独に対してぬいぐるみのなかから現れるケンスケ。アスカのケンスケに対する想いが示唆された。

 一方その頃、ヴンダーでは赤木リツコが二本の槍の生成過程を参考に第三の槍の製造を画策。その後乗員はミサトさんを除いて緊急脱出し、ミサトさんのみが館長室から槍を届けるために決死の特攻を行った。

 さてもう一つマリは冬月教授と対話する。冬月教授はイスカリオテのマリアとマリのことを呼び、マリは冬月先生と呼ぶことから間柄が示唆されていた。イスカリオテという名は裏切り者を象徴しているのだろう。実際ネルフを裏切っているような立ち回りが想定される。元より人が乗る予定のない場所はL結界密度が高く、冬月教授は対談後LCLへ還元される。そして8号機は冬月教授が用意したアダムスの器こと9,10,11,12号機エヴァオップファータイプを取り込んだ。

 そして今度はマイナス宇宙でカヲル君との対談。ここで1回目で回収できなかった衝撃の事実。カヲル君はループをしており何度も何度もシンジ君を救うべく動いていたことが分かる。最終的にシンジの願いによってすべてのエヴァを消し去ることでループは終わりを告げたかの描写が。そして加持さんとカヲル君の回想シーンでは加持さんが渚司令と呼んでおり、空白の14年間でゲンドウ不在の間の司令をカヲル君が勤めていた様子が伺えた。

 この後、カヲル君が去り、残るは髪の長い、綾波レイのみ。彼女はシンジがエヴァに乗らないことを願っていて、シンジはそれはできないにしてもすべてのエヴァがない世界を望んだ。最後は槍を以て初号機にとどめを刺そうとするのをシンジの中の綾波ユイが代わりにそれを実行した。エヴァ使徒は十字とともに死に、最後は8号機に乗ったマリさんにマイナス宇宙から救出してもらい成長したマリとシンジが駅から駆け出してFin。

 

というわけで2度目の視聴が終わった。前回は登場人物の即席が推測でしかなく、細かいところが欠落していたがそれが埋まったことでむしろシンジに対する印象が悪化してしまっていた。ガキなわけよ。アスカが心の清涼剤。シンジに対するサクラの言葉は全くその通りであり心から同意した。

 ループという事実は成程1回目ではなかなか回収できずに面白かった。エヴァ使徒についての細やかな描写も面白かった。

 一週目は新鮮でジェットコースターのような緊張感の元の視聴だったが、2回目は重厚で安心感がありつつも感動できる視聴となった。

 映画の終わりに「One Last kiss」からの「Beautiful World」強すぎた。私のエヴァはこうして終わりを告げた。

 

-終劇-