初見でレヴュースタァライト見てきた

次なるコンテンツはレビュースタァライト。てんどうまやが負けてないことしか知らずに見に行きました。もう一つ、カスから主人公かれんはADHD、ひかりは自閉症という情報も得た。

突然の迫力ある非現実シーンから始まる。トマトはなんの隠喩?キリンしゃべるしなんか走ってて草。とにかくこれは平行世界か、主人公をはじめとする人々の心象のの描写か判断を保留。まず公式の通り登場人物は早々に名前を呼びあってADHDかれんと自閉症ひかりということがわかる。その後、平常の学園シーン。各人物の名前とその人物像が回想を伴って紹介される。京都の女やフランス人ハーフ。負けたことなしてんどうまやも登場。さすが公式公認。人物の紹介は過去一番丁寧。三年生の進路ということは本編は学園入学から最終公演ぐらいを描かれているんじゃないかと推測される。それとこのときの進路において主人公かれんの白紙とひかりの自主退学は気になるポイント。
 その後冒頭のかれんとひかりの幼少期の思い出に戻る。ひかりからかれんへの演劇の伝播が観測される。
 そして日常の寮のシーンで香子が他の女の子ギクシャクするシーン。そのまま流れるように電車からの戦闘(舞台)が始まる。このときはまどまぎにおける別世界の描写に類似するものだと考えてたがこれ自体は物語にメタ的に組み込まれているものだと理解する。
 この舞台においてこの映画全てに通ずる電車は次の駅へ、舞台少女の次は?という将来を暗喩する大きな問いが提示される。
 そして電車で主人公と大場ナナが対面する第二の異世界シーン。千と千尋の神隠しといいシンエヴァといい、作中で時間軸、未来の象徴として電車の車内を使うのよくあるやつですね。
そしてかれんとひかりの回想は深まっていき、ひかりが早々にロンドンに飛ぶこと(本編ではいたから帰ってきてる)やかれんのひかりを信じて邁進する様子、髪飾りを交換するエモシーンが描写される。
 ここから文化祭もどきでの公演のワイルドスクリーンバロック開始。香子と双葉のレビューは恋慕?主従の対立?香子を追っていた双葉が、香子をおいて新国立を目指す王道テーマ。このへんは本編にてちゃんと描写があるだろう。
 その次はまひるとひかりのレビュー。開催されないオリンピックをモチーフに舞台は作られるもひかりは演じず、かれんを追う。
 その後、大場ナナと文学少女のレビュー。文学少女らしくゲーテニーチェなどを引用する知的な振る舞いに対して大場ナナは野生と本能で対応。(言葉通じてなくて草)。結局、人の言葉を借用する空虚さに耐えられず文学少女は本心を持って立ち向かう。
 次が個人的に一番印象深い負けたことなしてんどうまやとクロディーヌのレビュー。天才とその影を追い求めるライバルの構図は古より伝わるアツい描写。てんどうまやは天才らしく器を持っていかなるものをも演じるというのにたいしてクロディーヌはてんどうまや本人に迫る。そうして人間らしさをもって対峙するてんどうまやにクロディーヌが「あんた今までで一番かわいい」という発言に対して照れを浮かべながら「私はいつでもかわいい」と即答するてんどうまや可愛いです。
 最後に至る前にキリンの役割が判明。冒頭にも現れており干渉してないところからキュウベエ、コエムシなどに類する害悪生命体かと思いきや対話はするものの基本観客の写し身であるところの観測者であることがわかる。
 そして最後はこの映画において一連を貫くひかりとかれんの対峙。ひかりがかれんに演劇を教えて、そのかれんに心を奪われそうになったことを恐れてかれんから逃げ出すという人間らしさを見せる一方かれんはかれんで突き進むがままに演劇をやり抜いたもののたどり着いた卒業の前に空虚な自分にうろたえる。
 しかし最後は自分の舞台、次なる舞台を手に入れ、再生産され物語は幕を閉じる。

全体的に演出がメインであり初見者にわかりやすいよう本編などを匂わすことが少なかったので理想型であるところの本編見た人はわかり顔になり知らない人も楽しめるいい映画であった。しかし、その結果初見者は楽しいものの書くことに困る得るものがやや少ない感想になった。
 武将の如き人物の口上はただただアツい。
 非現実的な演劇の描写はまどまぎのようなものと捉えていたが最終的には所与のものとして腑に落とした。自由すぎて演出やりたい放題だし卑怯や怠慢もチラついたが、現代社会の演劇とはアニメと音響による非現実の生成、観客の誘致と思えばまっとうな手法でむしろアニメの利点を活かしていると言える。中世、近代の演劇とパラレルの関係と捉えた。
 この作品はこれまでの途中から映画でコンテンツに入るシリーズの入門としてちょうどいいことは太鼓判を押せる。少なくともエヴァよりかは頭を使わないので、オススメです。

追記:ADHDかれんと紹介されましたが劇中、ハンバーガー店を退転する際ゴミを分類しトレーを返却、その後かばんから折りたたみ傘を取り出す描写があったので個人的にはADHDではないように見えました。